おすすめ勉強本

【薬剤師読むべき1冊】皮下点滴で使える薬・速度・注意点がわかる

keiko
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  • 皮下投与できる薬はどれ?
  • 静注と同じ使い方で良いの?
  • 経験が少なくて正直自信がない・・・

緩和ケアや在宅医療が未経験だと、皮下注射を学ぶ機会が限られますよね。
調べても、皮下投与できる薬や速度などがはっきり書かれていないことも多く、判断に迷うことも。

私は急性期の病院薬剤師ですが、入院中に終末期を迎え、皮下点滴が選択される症例も経験してきました。

そこで「もっと早くこの本に出会っていたら…!」と思えた一冊をご紹介します。

症状緩和のための できる!使える! 皮下投与 [ 久永貴之 ]


この本があれば、皮下注射の処方や質問がきても
根拠を持って対応できるため、不安なく対応できるようになります。

 

この記事でわかること
  • この本のおすすめ理由
  • 経験した実例(よくある処方や相談)から、この本の活用方法

他にはない!
薬剤師が知りたい薬や輸液の皮下投与がまるごとわかる1冊になっています。
ぜひこの本を活用してみてください。

※補足
ここで紹介している皮下注射は「皮下注専用の製剤」ではなく、
静脈ルートがとれない場合や、緩和や終末期で患者の負担を抑える目的で使う皮下投与のことです。

 

おすすめ理由5選

皮下注射の基本がわかる

皮下注射がどんなときに使われるか、静脈ではなく皮下投与である理由を知ることが第一歩です。

この本では皮下注射のこんなことがわかります

  • 目的や意義
  • 特徴
    • 静脈投与と比べたメリット・デメリット
  • 推奨投与速度や投与量と吸収限界
  • 医療機材など何を用いるか(ポンプや針など)
  • 穿刺部位

 

この中でも薬剤師として、特に知っておくべきことは
投与速度や投与量、吸収限界です。

皮下からどれくらい吸収されるのかを知らないと、
薬が十分に効果を発揮できなかったり、副作用が出現してしまいます。
おさえておきましょう。

皮下投与できる薬剤・現場のノウハウがわかる

皮下投与が適応である薬は非常に少なく、
まだまだエビデンスが不十分で、経験的に投与されていることも多いです。

この経験的に投与されている薬って調べることが非常に難しい
もちろん、適応外使用になるので鵜呑みにされないように情報が溢れていても困りますが。

この本ではこんなことがわかります

  • 皮下投与できる薬一覧
  • 各薬剤のエビデンスや経験に基づいた投与法・投与量・利点・注意点
  • 皮膚の構造と薬物動態から投与できる薬剤の考え方(吸収部位や疼痛発現部位など)

 

処方が出たときに先輩に聞いて、この薬は皮下で使えるっぽいとか
そんな曖昧な知識ではなく、「根拠」から理解できます。

エビデンスが不十分なところも、プロのノウハウを載せてくれているので
初学者としてはとっても役立つ情報満載です!

写真で皮膚障害などの実例がわかりやすい

処方箋を見ているだけだと、皮下注射のイメージをしにくいのではないでしょうか。

この本ではこんなことが写真でわかります

  • 皮膚障害の発赤や硬結
  • シリンジ内の気泡の抜き方
  • 持続注入ポンプへのプライミング方法
  • 穿刺方法・固定方法

 

皮下注射開始後、患者さんの様子をうかがったとき
写真のように皮膚障害が出現したら、他の部位や投与速度の変更依頼ができます。

慣れていない現場の注意するポイントも写真付きです。実際に患者さんへ投与するのは看護師が多いと思います。看護師への情報提供として、相談を受けたときにも、どこが困っているのかイメージしやすいと思います。

経験した実例→本の活用方法

緩和ケアでモルヒネ皮下注を開始した症例

症例
終末期の患者で、1日12mgのモルヒネ皮下注射が選択された。

課題
・投与量が合っているのか
・注射速度やレスキュー量
・皮膚障害のリスク

本の活用方法
オピオイドを初めて投与する方、内服や貼付から皮下へ切り替えるときの投与量の決め方が載っていて、自信をもって調剤できます。
モルヒネ、オキシコドンなど各オピオイドにおける皮下投与の利点や皮膚障害リスクが書いてあり、よりよい薬の提案や看護師や患者へ情報提供できます。

静脈ルートから皮下投与へ切り替えるときの相談

症例
末梢静脈で3号輸液+アスパラカリウム20mEqを投与中の患者
静脈確保が困難のため、このままの処方で皮下注射へ変更

課題
・皮下注射が添付文書に書いてない。投与できるのか?
・カリウムは補正しても良いか?

本の活用方法
・輸液製剤ごとに皮下点滴の可否や注意点がまとまっており、すぐに答えを出せます。現場で迷いやすいカリウム投与量や浸透圧比についても書かれていて、ここに書いてあったのか!と驚愕でした。

抗菌薬を皮下投与で使った症例(セフトリアキソン)

症例
脱水で末梢確保が難しく、セフトリアキソンの抗菌薬を皮下投与で使用

課題
・抗菌薬は皮下投与できるのか

本の活用方法
・抗菌薬の時間依存性・濃度依存性といった薬物動態から皮下注の可否が解説されていて、
納得できます。

・抗菌薬の使用できる薬とそうでない薬、エビデンスが曖昧なため慎重に使用する必要がある薬について書いてあります。他にも向精神薬やH2ブロッカーなどよく使われる薬について言及されています。こういった一時的に末梢確保が困難で皮下投与する場合にも役立ちます。

まとめ

症状緩和のための できる!使える! 皮下投与 [ 久永貴之 ]


おすすめ理由4選

  1. 皮下注射の基本がわかる
  2. 皮下投与できる薬剤がわかる
  3. 写真で皮膚障害などの実例がわかりやすい
  4. 現場のノウハウが詰まっている

 

私自身も、皮下注射に関する処方や問い合わせがある度に、この本を見て確認しています。

「皮下注射で本当に投与できるの?」
「投与量や速度は?どうやって使えばいいの?」
と迷うこともありますよね。

そんな不安を持っていた方にこそ、この1冊をおすすめします!

緩和ケアや在宅ではもちろん、
急性期病院でも役立ちます。

他にはない実践的な情報がぎゅっと詰まった本です。

ぜひ一度、チェックしてみてください。

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